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LIFEST®︎大學コラム ゴルファーと健康 vol.1.6 (椎間板ヘルニア)

セルフケアの重要性

セルフケアの重要性

わたしがゴルファーサポート(アマチュア)を初めてから、初めてプロテストに挑戦する選手が2名(A選手・B選手)出てきた年。LPGA最終プロテストの会場でこんなことがありました。
1人は、A選手のコーチが指導する別の選手(C選手)。住まいが遠方なこともあり、その日まで面識はありませんでしたが、初日に腰を痛めてしまいコーチから依頼されることに。ただ、帯同自体がA・B選手の依頼であったため、安易に引き受けるわけにはいかず、しかしコーチの依頼。非常に悩むところでしたが、A選手が快く承諾してくれたため、2名の選手の最後にフォローすることになりました。医療人として考えれば、容易い話ですが、交通や宿泊の費用全てを誰の負担できているのか…と考えれば、安易に受けることはできないことでもありました。

そのC選手は、もう何度もファイナルまで進めているものの、合格までたどり着けない選手でした。毎年何かしらの身体トラブルを体験したはずが、ここまで特に対策がなく来ていたとのこと。会場では、施術の他、その選手の状態に合わせたセルフケア指導を行う。数名の選手がトレーナーを帯同させているプロテスと会場であっても、「トレーナーがいないと戦えない」満身創痍ではいけないと伝えた記憶があります。そのテスト後トレーニングサポートが始まり、現在は無事合格してレギュラーツアーで戦っています。

 

痛みの根源は椎間板ヘルニアか

痛みの根源は椎間板ヘルニアか

 

そしてもう一人はD選手。D選手は、極度の緊張もあり、腰背部痛を発症していました。クラブがあげられないほどでした。A選手とマネージメントサポートが同じだったことから、A選手の依頼で会場で担当することになりました。先ほどのケースと違い、A選手の依頼であれば、即OKになります(笑)

さて人気の女子ツアーを戦う選手たちは、合格前からマネージメントサポートを受けている選手が数多くいらっしゃいます。それだけ人気市場なのでしょう。

D選手は、当時20歳。一人でこの会場に来ていました。プロテストは2回目。その時の腰背部痛以外に既往歴など聞く必要があります。しかしこれを聞いて驚きました。

中学時代に腰椎分離症。高校時代に遠征のバスから降りてゴルフバックを担いだ際に腰が崩れてしまい激しい腰痛が出たと聞きました。全国高校ゴルフ選手権の時で、痛みを我慢しながら戦い、試合後に「腰部椎間板ヘルニア」の診断を受けたそうです。それから数年経過し、ゴルフに腰痛があるのは当たり前と諦めも含んだままプレーし、2年連続でファイナルに進んできました。今回こそ合格したい思いもあったのか、普段の試合と違い、ファイナル独特の重たい空気もあってか、体調はどん底でした。

残念ながらD選手もセルフケアに関してほぼ知識はありませんでした。痛みがあることもにも慣れていて、痛みが強ければ薬を飲んで対応。

「今からその対応はいけない」と会場で伝えた記憶がありましたが、試合は始まっているので、とにかく戦える状態に戻すことが会場では求められました。

A・B・D選手が無事に合格、C選手はこの2年後に合格することになりました。特に椎間板ヘルニアを患っていたD選手に関しては、椎間板ヘルニアと分離症が過去のものであり、現在の腰痛が2傷病由来のものであるかどうかは、判別が必要で、その後、整形外科医と連携をとり現状の把握をしっかり行なった上で、プロ生活をスタート。試合に出ながら2年かかりましたが、現在は腰痛を克服しプロゴルファーとして活動を続けています。

 

非特異的か特異的か

一度診断名がつくと、「腰痛持ち」「ヘルニア持ち」というような言葉で、その人の心から傷病は消えません。
しかし過去に患ったものが、「今の腰痛の源」とは限らないケースも多々あります。
D選手で言えば、現在の痛みの判別とさらに大切なことは、そもそも「椎間板ヘルニア」になった原因がどこにあったのか…その答えを出すことは、決して容易ではありませんが、前に進むために、また未来の健康のためにも必要だと考えます。
傷病は結果であり、その原因を克服しない限り、腰部への負担は減らないと言えます。

原因がわからないければ、医科では対症療法になりますが、それはそれしか方法がないのではなく、原因がわからないからであり、原因が断定できないからこそ対症療法で症状を抑える手段になります。

お医者様の医療界での置かれている立場も大きく影響しているものですが、我々はそことは大きく異なるところで生きているため、腰痛の場合であれば、それが骨盤の歪みなのか、筋肉の硬化なのか、筋力低下なのか、胸椎可動性の低下なのか、または筋膜由来の痛みなのか、容易には断定できませんが、探り探り解決に導けることも多々あります。

発症で諦めず原因を探ることが、予防の近道だと考えています。